- AKATSUKI
夜の月がさよならした孤独と傷跡だけ残して
明日になったら明日になったらって
背けるよう目をとじるだけ
朝の日差しが部屋に入る
進まない1日のはじまり
冷えた心に少しでもとあたためるように
タバコに火をつけた
- happy end
風を集めた窓をあけて
夏が日差すそれと同じように
ゆれる髪が目をさしたはじまりを感じた
明日に描きうつす小説の中の僕は
怖いくらい手が早くて
これじゃ追いつけないな
- harukaze
少し大きな学生服も合ってきた頃に
気づけばさよならの季節がきて
春が呼ぶ変わらないはずの風のざわめき
大きく吐きだした呼吸と暮れていく街
晴れた日の水たまり弾んで気がついた
僕の目の前駆け抜けた閃光のような君は
無重力のようにゆらりゆらりゆらりと
- kimigaomoideninarukoro
教室の隅一人きり佇んでいるその少女は
窓際照らす光を邪魔そうに小説を読んでて
君の世界に映る僕はおそらく背景みたいなもんだ
だから入り込んでみたくなったシナリオのない物語に
話をしてみたくておどけて近づいてみて
目を合わせてみたんだ
- Let it be the Last
今の僕の文字だけでは
あの日の僕は償えないのに
夜に浮かぶ二人の思い出を
もう一度ってまだ指に願ってる
夜中2時を過ぎた部屋に
響く秒針と鼓動が重なる
延ばし続けたまだ好きだよも
- Machikadono Rapsody
ああ散らかった一人部屋
はじめて買ったボロい6弦持つと
心が巻き戻されて
君と過ごした記憶が蘇るよ
あああの頃と変わらずに
今も日々を歌に変えているけど
君のこと 肌で感じてた
- NATSUZORA
待ちわびた朝焼けもう気づけば夏の模様
深呼吸とともに舞い上がる心
向日葵が揺れているその先の踏切を超えて
泣きたいくらいの夜のことを思い出した
ああ幸せも喜びも夢も辛さも
一人じゃできないよな
- OCEAN
とけるような昼の暑さも覚めきった
潮風の香る夜の砂浜ふたりきり
水着の上羽織った濡れたパーカーの君と
隣り合わせで波の音をきいてた
神様お願いもう少しだけ
この夜が続きますように
濡らした身体が乾くまで
- orchestra
山に囲まれた道をいく一台のバス
誰もいない端っこの席
何も変わらない街と懐かしい匂いと静けさは
過去に連れてかれるようだ
大きく見えていた麦わら帽子の君は
あの頃と何も変わらない笑顔を浮かべ僕に手を振った
- Orgel
さびたネジを回しながら
昔のこと思い出そう
小さな箱の中踊っていた
二人の軌跡を思いかえそう
六畳一間の部屋
君の細い手をとった
何気ないをこれからも
- orion
オリオンが踊り照らす夜のランプを
君と二人見上げながら朝を待つふりをしてた
音もない公園だけど君の声が小さくて
聞き返すけど何もないって
実りない言葉を交わしてた
さりげなさがでてこなくて
肩を抱く隙間もないな
待っているのか照れているのか
- Rain
帰りたくないのは僕だけかな
頬張る君のことただただ眺めてた
帰したくないのは僕だけかな
終電の時間を少し遅めに言ってみたけど
上着に手をかけた君を
もう何も止める術もないから
- tiramisu
甘く甘く数ヶ月前まで普通に話して遊んで 一方通行の隙もないくらいだと思っていた そんな君が今じゃ寄り添って甘えるものだから 男らしさの理想なんて忘れてしまっていた
私でいいの?僕でいいの?画面越し確かめるのは 怖いとか不安とかではなくて 文字の向こうで寝転がってニヤけてる君の姿が 夢じゃないと思えるから
甘くて少しほろ苦いとよく聞くけど苦味なんてなく
口当たりももう止まれない終わらないキスをしよう
甘く苦く月日が流れて デートの場所を決めるのも 連絡するのもなんかいつでもよくなってきて 誕生日のプレゼントはおたがいにお金もないし
安いものなら別にいらないと自分の都合ばかり押し付けていた
苦い苦いコーヒーを買って公園で肩も触れずに隣同士座りながら 重たい口を君が開いたもう好きじゃないかもって 返したくても返す言葉がなかった
甘くて少しほろ苦い最後のあたりは苦いだけの ティラミスみたいに僕の恋は終わりを迎えたんだ 約束だって直して欲しいと言われたとこだって 君の優しさに甘えちゃってごめんねに重さがなくなって 味も無くなって終わりを告げた
- tsuyogari
確かめたくて何度も送る
指先の言葉じゃ不安は消えないのに
既読のついたその瞬間に
あなたを信じる余裕もない自分に嫌気がさす
僕が思い描いてたあなたの隣には
かけ離れているよな
- yokogao
雨上がりの日差しは僕らに刺さって
思わず細めた君の顔を見てた
ひとつしかなかった傘をしぶしぶたたんで
さっきまでより少し離れ歩き出す夕暮れ
君の方から手を差しだして
されるがまま繋がる両手
慣れた手つき余裕な顔の君
プライドもなにもなくなるけど