- Akudama
足に科せられたチェーン 白く光るコロシアム
異教徒のごとく礫を投げられて
勝つことを許されない二流で無名の悪玉
反則負けこそが最高の名誉
打ちのめされたこの背中を
息子のお前もさげすむのかい
今宵こそ 見てろよ
高らかに鳴るテーマと決めぜりふ
- Alcadia
滲むキラ星
響く靴底のブルース
ついて出る言葉は
放たれて意味へ急ぐ
光るやいなや
消える彗星のコース
満月を射止めて
血にうえた僕は笑う
- Blue Zombie
錆びた天使
空 目指す
美しい森
そうさ 俺はゾンビ
枯れ葉の遊歩道
ふらりふらふら
- fake it
できないなら
できるふりしな
できるようになるまで
できないなら
できるふりしな
いつかできるさ
ブリキのダンサー
- Happiness
わからない芝居を観たり
くだらない若い歌手に入れあげたり
英会話 お茶をしながら
「うちの主人は芸術を理解しない」
知るかよ!
ハピネスはピンクのシャンパンの
泡のようなものだと君は言ってたよね
- Icarus no matsuei
暮れゆく空の神は甘いアルトのキャプテン
スムースな離陸に拍手 靴が鳴る 胸踊る
これで浮世としばしのお別れさ ブギ・ウギ・ウィッキー!
心に弾みがついたら 胸を張れ 腕を振れ
この旅客機に蒼くて仄暗いダンスフロアがあればね
可愛い女の子 キスを見舞うぜ ベイビ 今だ さあ
イカロスの末裔達の御一行 ハイになりたいやつら
遠くまで飛べるかな?
- Juuyoji Sugi No Kagerou
水辺の生き物
だから陸では生きてゆけない
気がしている
飛び込み台に立った
瞬間に僕が僕であるということを
忘れられるんだ
ロッカールームの薄暗がりで
シャツを脱いで
- Kiribana
宵の花屋の眩しさに戸惑う
足早に過ぎる人 小糠雨の中を
知っているのか
花びらの噴くわけを
真水を啜りながら赤く映るわけを
濡れるガラスの向こうに
ひしめき生きる切り花
実をなし花をなせるもの
- Kuruma To Onna
春めく フェアレディ うわの空に
想い出の雲をつかむよ
占う そのカード ばらまいたら
ブランニューなロマンスをしようぜっ!
麗しのサブリナでさえ 羨む
100色の トランク積んで
旅立ちに くちづけ 春先のマジシャンは
イカサマめいた手捌きで
- Mesu To Kosume
不二子もハニーも真っ蒼
噂で "変わった" と聞いてはいたけど
「ひさしぶりね」と微笑む
戸惑いを見透かすように
メスとコスメのサイボーグ
肋骨を抜いたね 面の顔を剥いだろう
蛾を思わせるその眉
自満の胸 鼻高々
- Musunnde Hiraite
Ah 今日も持て余す僕の
膨らみ過ぎた好奇心にバクも消えた
緩いリズムに深く息をあわせて
踊るダンス! 行こう始まりは
こんな呪文のように軽やかなのさ
ティトゥリトゥリトゥリラー ティトゥリトゥリトゥリラー
トゥラーリー ティトゥリトゥリトゥリラー トゥーレリラー
- Oushiza Rhapsody
これみよがしのガチガチビバッパー
果ては 小股もシャープな清らかなシスター
低く翔ぶ遊撃手はいなせななり
朝からやけに賑わしい うわさが魔都に集まれば
男の晩歌で尻を拭く奴 俺は
はにかみまぎれにギターを破る
ここはひとつ 高笑いで飛躍としよう
朝からコントではずむよ あらすじ読んで深呼吸
- Saikai
交差点の向こうに君を見つけて
思わず駆け寄った
季節はいくつ廻ったろう
馴染みの店も新しいスタイル
他愛ないことばかり
話は尽きない
並んだ料理も冷めてしまいそう
待ちわびていた
- Sennenki Matsuni Furu Yukiwa
戸惑いに泣く子供らと嘲笑う大人と
恋人はサンタクロース 意外と背は低い
悲しげな善意の使者よ
あいつの孤独の深さに誰も手を伸ばさない
歩行者天国 そこはソリなんて無理
横切ろうとするなんて気は確かかい?
「赤いオニがきたよ」と洒落てみるか
遅れてここに来たその訳さえ言わない
- Shin-Sui-Shiki
ためらわずロープを切って
海に放っておくれよ
新しい船を
見慣れぬ船
君の手でロープを切って
そして名付けて欲しい
美しい船さ
われらの船だ
- Siren No Uta
光化学の街が
音も無く揺れる
赤 青 黄色 シグナル巡る
連れ立つ僕と影法師
電磁波に漂い
何処かへと向かう
誰もが一度 夢を見る夏
空に太陽が燃えているよ
- Sweet Soul
真夜中が今 その目を覚ます
月は静かに
僕らはただ こうして歩こう
満たされるまで
遠い日の線路のように煌めく
コールタールの地平の上で
目を閉じ 君と祈れば
溢れ出す あぁ 想いに
- Taiyo To Venus
時は2015年 陽炎も買える街
西に消えてく今日に いまクラクション高く鳴く
首をつたう汗の そのルートをねじ伏せて
胸の高鳴るほうへ 首都高速くぐるのさ
甘く匂う果実 ほおばって投げ棄てた
キミの微熱は今に あの宇宙も焦がすだろう
道を急ぐさ 照らせよヴィーナス